お店の紹介 (令和2年8月訪問)
世界の美食家、いんざん先生、今日は神戸のお寿司屋さんをご紹介するのだ。
神戸の中心地、三宮から旧居留地、南京町を抜け、元町へ。神戸港の夜景スポットで有名なメリケンパークにほど近い場所に佇む、「寿志 淺井」。「寿司」や「鮨」の間違いではないのだ。
こちらのお店、まだ30代前半の大将がオープンしてわずか2ヶ月足らず。
コロナの影響でオープンが大幅に遅れたそうなのだ。商売は中々思い通りにはいかないのだ・・・。
時期的には逆風だけれども、物件を借りて店舗を作った以上、やるしかないのだ。
オススメの使い方
・ご夫婦で
・親しい方と
決して安い店ではないけど、肩肘張っていくよりリラックスして楽しみたいお店なのだ。
費用
料理はコースのみ 1万円(お酒別)
食体験
お造り
天然真鯛。最初は地の魚、明石の天然真鯛。
激しい潮流をかき分け泳いできた明石鯛は身が締まって絶品なのだ。
シマアジ 脂ののったシマアジを生姜風味で。
鱧湯引き 夏の関西を代表する魚、鱧。丁寧に骨切りされた鱧の湯引きはなんとも官能的な食感なのだ。
あて。お酒のアテになりそうな一品が次々と。
蛸柔らか煮
タコの子真薯
バイ貝
菊菜と松茸のお浸し。
とっても上品な味付けなのだ。柔らかい菊菜の甘みと僅かな苦味、松茸の香りと旨味。
お魚料理の中に、ちょっとお野菜が入るとほっとするのだ。
鯛の西京焼き。白味噌に漬け込んだ鯛の焼物。お酒を飲む人にも嬉しいコースなのだ。
じゅんさいゼリー。酸味を効かせた柔らかなゼリー。
ツルッとしたジュンサイと賽の目にカットされたパプリカが実に爽やかなのだ。
握り
一通りお酒のアテを楽しんだところで、いよいよ握りなのだ。
こちらのお寿司は全て味がついているので、そのままいただくのだ。
剣先烏賊 細かく鹿の子包丁を入れた剣先烏賊は、塩と振り柚子でその甘みを楽しむのだ。
鯛のチリ酢 おろしポン酢仕立ての鯛。
赤身のヅケ マグロの赤身は醤油漬けに。力強い味わいがあっさりとしたシャリによく合うのだ。
中トロ しっとりとろける中トロ。
アジ 夏場に美味しくなるアジは鮮度抜群。「味が良いからアジ」なんて言葉の由来も納得なのだ。
車海老 ボイルの海老はお寿司屋さんの定番だけれど、やっぱりお寿司には車海老なのだ。
イシカゲ貝 ちょっと珍しいイシカゲ貝。歯触り、潮の香りが絶品なのだ。
ノドグロ 脂たっぷりのノドグロの皮目を炙って握りに。普通、焼き物や煮付けにするノドグロが生で美味しいのは鮮度の良さの証拠なのだ。
ウニ 北海道産のウニをシャリの上にたっぷりと。
煮ハマグリ 。江戸前の定番、「煮ハマ」。こちらのは大きくとっても柔らか。
煮穴子 ふっくら柔らかく炊き上がった穴子を軽く炙って握りに。大満足の一品なのだ。
玉 お寿司屋さんの定番、玉子焼きでしめるのがこちらのスタイルなのだ。
単に生魚を握ると言っても、丁寧に包丁を入れ、あるものは煮切り醤油を、あるものは煮詰めを塗り、あるものには塩を振り、柚子の皮を散らしたりスダチを絞ったりと、細やかな仕事がされているのだ。
けれど、こちらのお店で感じる満足感や幸福感は、多分、単に技術の話ではないのだ。
純粋に、お客に食事を楽しんで欲しい、そんな思いが、自然体の大将から滲み出ているのだ。それが店名(寿志 淺井)にある志なのかも知れない、なんて思うのだ。
若い大将がテンポ良く握ってくれるお寿司、神戸に立ち寄った際には是非とも味わって欲しいのだ。
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