就活で求められるスキルの代表はコミュ力だという話は、もう聞き飽きたかもしれませんが、その言葉の実態について真剣に検討されたことはあまりないかもしれません。
社会的に「できるやつ」と評されるためには、専門性が不可欠です。
自分の得意分野のない人は、なかなか社会的に評価されません。
しかし、現在は専門性が高いというだけでは評価されなくなりつつあります。各専門分野が高度になりすぎたために、専門家同士も連携しなければならないからです。
そのために、コミュ力が欠かせません。
コミュ力とは、スペシャリティを土台に、多くの関係者と連携しながら仕事をやり遂げる能力のことです。通称「なんとかする力」です。
コミュ力は、愛想良く笑う技術でも、よく通る声でも、論理性でもなく、「なんとかする力」です。なんとかできるやつは、不器用でもコミュ力が高いと周囲は評価するはずです。
ところで、コミュ力とよくにたマジックワードに人間力という言葉があります。
人間力とは、中身がよくわからないのですが、コミュ力に加えて、人格的道徳的な要素が加わってきます。何を持って人格的、道徳的とするのかは、文化背景によって大きく異なるため、一概には言えませんが、単なる利害関係にとどまらない、社会的に立派な行いをする人というニュアンスを込められた魔法の言葉です。
「人間力形成」を謳う塾や学校、企業が多くありますが、この言葉の裏に「どのような人物が社会的に立派か」という定義があることが望まれます。
それがないと「オレの好み」の問題になってしまうからです。
「オレの好み」は、客観的に指標がないため拝金主義よりもタチが悪いと思うからです。
みんな、気をつけましょうね!
『なぜ、あなたの話は響かないのか―信頼と価値の時代のコミュ力2.0』ディスカヴァー・トゥエンティワンより。
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