スピーチライターの蔭山洋介です。
スピーチライターゼミを始めて5年が経ちますが、新しいメンバーの中には「これまでオンラインサロンに複数所属してきたけど、コンテンツのボリュームと活気が圧倒的!びっくりしました。」と驚かれる方もしばしばです。
なぜ、スピーチライターゼミが他のオンラインサロンと違ってそんなに盛り上がっているのか、その秘密をお話しさせてください。
夢を追いかけるとどうなるか
みなさんの中には、小説家になりたいになりたい、漫画家になりたい、ミュージシャンになりたい、といった夢を持っている方や、何かしらの夢を持ったことがある方も多いと思います。
もしくは、やりたいことが見つからなくて困っている人もいるのではないでしょうか。やりたいことが見つからない方は、拙著『なぜ、あなたの話は響かないのか』で、その理由を社会構造の側面から詳しく話していますので、もしご興味があればご覧ください。
ここでは、仮にやりたいことが見つかって、その夢に向かって進むと何が起こるのか、一人の青年が心折れて立ち直るまでのストーリーをご紹介させてください。
舞台演出家を夢見た学生時代
ぼくは高校の頃から、舞台の演出家になりたい、そう思っていました。
小学生の頃、夢の遊民社の野田秀樹さんや、第三舞台の鴻上尚史さんが、演劇界を盛り上げていました。幼心に、意味がわからないけど、なんかすごく熱くなるものを感じて、野田さんの台詞「空が、空が落ちてくる!」というモノマネをしていたくらいです。
高校、大学と演劇漬けでした。毎日、演劇のことだけを考えて生きていました。シェイクスピアはもちろん、メジャーな演劇の戯曲はほとんど読みました。
合間に勉強も頑張りました。 当時は心理学と脳科学の本を読み漁りました。
演劇をやっていると、
「生きるとは何か?」「人間とは何か?」
というテーマと当たり前のように向き合うので、このことを理解するには、当時ブームだった心理学や脳科学が役に立つんじゃないか?そう思ったからです。
この当時、大学で論文をたくさん読むようになって、理系の文章に抵抗がなくなりました。これが、今スピーチライターという情報分析の仕事をするようになって、すごく役に立っています。
ぼくは学生の頃、金沢にいたのですが、ぼくが演出した舞台の動員は立ち見が出て1000人以上入る大盛況でした。
観客を入れすぎて、入れちゃいけないところにもお客さんを入れて、施設の人にすごく怒られたこともあります。金沢で、無名のチームの演劇が、それだけの動員を達成したというのは、本当に奇跡みたいなことだったと思います。
僕は、このままプロになりたいなあと漠然と思っていましたが、
ここに高くて硬い壁が立ちはだかるんです。
それが、お金です。
5000円のチケットを1000人に販売すると、売上は500万円です。500万だと、人を一人雇って諸経費を支払ったら手元にはほとんど残りません。プロになるには、一桁増やして、1万人に売らないといけない。1万人だと5000万ですから、劇団を維持して経費を払っても、ギリギリやっていけるはずです。
しかし、当時のぼくは学生です。
どうやって1万人に5000円のチケットを買ってもらえるようになるのか、皆目検討がつかなかったんです。
そこで、演劇で食うことを一旦脇に置いておいて、大学生を対象にしたベンチャーコンペに応募することにしたんです。
内容は「演劇のスキルを使ってコミュニケーション力を上げましょう!」というものでした。
今から見れば、内容はそんなに斬新ではないかもしれませんが、なぜ演劇のスキルがそんなに役に立つのかを、理系っぽく論じたら、財界の偉い審査員たちから大受けで、 全国でグランプリを取ることができたんです。
おお、これでお金の問題が解決したぞと。だって、財界の偉い人たちが賞を出してくれたんだから、企業で売れるに違いない、頑張って起業しよう!
当時は、社会のことを何も知らなかったので、この程度のことで決断して、大学院を修了すると同時に東京に出て起業しました。
学生が何も知らず起業すると
でも、ここからが大変でした。
学生だったので、当然お金がない。無一文での起業です。お金がないとバイトしないといけません。でも、バイトの時間が勿体無いと思ったので、人に頭を下げてお金を借りました。300万円くらいです。
なんで借金したのかというと、ホリエモンの本に、 「身近な人から借金できなければ、起業するな。そんなこともできなければ、他人に売れるわけがない」 みたいなことが書いてあったからです。単純なので、なるほど!となって、お願いして借りたというそれだけです。
この300万で、なんとかしなければならないのですが、お金って仕事をするとすごい勢いで減るんです。家賃とか、移動とか、食費とか、付き合いとか諸々で、どんどんお金が減っていく。
一方で、仕事はぜんぜん取れないんです。
BtoB営業なんてしたことないどころか、名刺交換の仕方も知らない無知な若者の、 「賞を取ったんです!」とかいう、売り文句なんてまったくお客さんには響かないんです。
最初はこの程度で仕事が取れると思っていたんですが、こんなの売上に全然関係ないんですよ。だって、「最高金賞受賞」みたいなラベルの貼ってある商品って、一応目には止まりますが、買うための決定的に要素じゃないじゃないですか。そんなことにも気がついてなかったんです。
「あれ?おかしいな。このノウハウが売れないって、想像してなかったぞ?」そういう状況になって、何していいかわからなくなりました 。
気ばかり焦りながら、一日中ネットで動画とか見てたこともありました。
半年ほど経った頃、いよいよ軍資金が尽きて、さらに借金をお願いする という状態になりました。
借金て、一回だとまあ別に対してしんどくないんです。でも、繰り返すと、相当内臓に来るんですよ。
前の借金返してないし、返す宛もないまま
「すみません、30万貸してしてくれませんか?」って、お願いにあがるんです。もう本当に辛い。
でも、バイトしないというのは決めていたので、頭下げて借金しながら、なんとか仕事を軌道に乗せようと必死に営業しました。でも、必死だからって、うまくいくわけじゃないんです。
努力はお客様には関係ない。ちゃんと必要なことができるかどうかが重要だからです。
あなたにできるわけがない
何がきっかけでうまくいくようになったかというと、実は、一人の実業家との再会が重要でした。学生ビジネスコンペの審査員をしてくださった方で、神戸に住んでいたんですが、会ってくれるというので、ないお金を出して神戸に飛びました。
すごい立派なご自宅で、絵画がごろごろ床に転がっている応接室でお話をすることができました。彼との話の中で、「蔭山さんのやりたいことは、コミュニケーショントレーニングと言うより、リーダーシップトレーニングだよね?」という話になって、そうだと言うと、「だったら、若いけど、そういうパッケージで販売したら良いんじゃないの?」という話になりました。
それまでは、年齢が若いというのもあって、新卒向けにコミュニケーショントレーニングを販売していたんです。でも、新卒はそんな高度なコミュニケーションが求められていない。だから、全然売れないんです。
そこで、リーダーのコミュニケーションに特化したサービスを考えることにしました。
じゃあ、これでうまくいったかというと、そんなに単純じゃないんです。
東京に戻って、新聞社に勤めていた方で、キャリアのつなぎでバイトで手伝ってくれていた僕より一回り以上上の女性に相談したら、
「あなたに、できるわけがない」と断言されました。
え、なんで?オレできるけど?と反発しましたが、言われたことは要するに「あなたみたいなお子ちゃまに、海千山千のリーダーをトレーニングするなんて、無理」ってことです。
ぼくも、今なら彼女の言っている意味がわかります。リーダーにアドバイスする仕事は、やっぱりアップルを引退したスティーブ・ジョブズばりの歴戦の企業戦士の方がハマるんです。大卒の小僧の仕事じゃない。
まあでも、偉い人ができるとアドバイスしてくれているわけで、ほんと世間知らずのバカだから、あんまり気にせずやってみたんです。
あとで、分かったことですが、
成功してる経営者は「君には無理だ」的なこと、必ず言われているんですよね。だから、これを言われた人はチャンスかもしれないです。
で、実際にやってみたら本当に売れないんです。なんだったら、ターゲットを絞っている分、今までより売れない。さすがにやばいなと思いました。
でも、売れないという経験をものすごい数経験していく中で、わかってくることがありました。
サービス自体にニーズがないことに気がついていなかったんです。
ニーズ考えない商品開発
ぼくは、発声や感情コントロール、演出論についての訓練を10年以上続けてきて、アメリカにまで留学して勉強しているんだから、ノウハウには相当自信がありました。
基本的には、これを売ろうとしたんですが、よく考えたら日常生活で、そんなに豊かすぎる感情表現はいらないんです。
00年代以降、日本でも一般の人に演劇ワークショップが人気で、それはそれで意味があると信じているんですが、現場で仕事をしている人は、実は感情表現でそんなに困ってないんです。正直、感情なんかなくても、仕事がうまく回るならその方が重要だったりします。
彼らが欲しいのは、豊かな感情表現の技術でも、よく通る声ではなく、上司と喧嘩しないで丸め込む技術だし、客先に喜んでもらえる営業のスキルです。
だから、コミュニケーショントレーニングなんかしているより、今日の事務処理と、明日の営業内容を考えることに時間を使いたいんです。それなのに、コミュニケーショントレーニングを提案していたわけですから、うまくいくはずがないんです。
もちろん、コミュニケーショントレーニングは、結果的に営業成績を押し上げることになるだろうと思いますが、そんな回り道をしている余裕は、ほとんどの現場にはないんです。みんなギリギリのところで戦っている。明日すぐに使える豆知識みたいなものじゃないと簡単には売れないんです。
日本で最初にスピーチライターの事業化に成功
このことに気がついて、仕事のやり方を徹底的に整理しました。それでリーダーが必要なコミュニケーションは、なんなのかと。
例えば会社の社長に必要なコミュニケーションは、交渉術や説得術、人心掌握術なんかも必要なんですが、一番はスピーチじゃないかと思ったんです。単純に、ネットやテレビを見ていてスピーチが苦手な社長さんが多いなあと思ったのがその理由です。
そこで、実際にお会いした社長さんに聞いてみると、「本当に困っている」というんです。
そこで、スピーチのトレーニングだけじゃなくて、原稿執筆とスライド作成までパッケージにして売り出しました。
そしたら、すぐに受注につながったんです。それに加えて、2009年の大統領にオバマが就任したんですが、そのスピーチライターが若干27歳だったことも追い風になって、事業を軌道に乗せることができました。
一番重要だったのは、漠然としたコミュニケーショントレーニングを、 ニーズに応えるスピーチサービスに進化させたことが勝因でした。
スピーチライティングの仕事は、本当にやりがいがあります。「スピーチをしたら、お客さんが泣いてくれた」「聞いたことないような拍手をもらった」「売上がすごく伸びた」など、大成功したという報告と感謝の言葉を、たくさんもらいました。
口コミもあって、今では、超有名企業から直接オファーがありますし、社会的に重要な仕事にも携わることができるようになりました。
スピーチライターゼミが始まった理由
こうして、ぼくはなんとか嵐を乗り越えて順調に事業を続けているのですが、そうしているうちに、単なるスピーチのサポートではなく、もっと本格的に蔭山さんと一緒にコミュニケーションについて勉強したいと言ってくれる仲間ができるようになりました。
そこで、1年かけて一緒にコミュニケーションについて深く学ぶ勉強会を開催するようになったんです。もちろん有料です。
費用はなんと、年間100万円、です。
それでも、一緒に学びたいと言ってくれるので、一生懸命やりました。いろんなメンバーがいましたが、上場企業の経営者、ベンチャー企業の経営者、コミュニケーター、コピーライター、コンサルタント、これから独立したい人、板前など、本当に様々な人が参加してくれました。
勉強会では、コミュニケーションと言葉を本格的トレーニングしたので、本当に独立できた人や、業績をV字回復させた人、社内でイケイケになった人など、多くの仲間が成功していきました。本当に嬉しいことです。
でも、問題があるんです。
そうです。料金が高額なんです。
スピーチライターという仕事は、企業のコミュニケーションの根幹をサポートする重要な仕事で、一流のコンサルティングファームに比べればリーズナブルですが、それなりのフィーが発生します。
その時間を割いて、ノウハウを提供する以上、費用を抑えてサービスを提供することができなかったんです。
そのため、スタートアップや、まだやりたいことがはっきりしていない人、もっと軽い気持ちで勉強を始めたい人にとって、敷居が高かったのです。
でも、このコミュニケーションのノウハウは、そういうこれからの人にもぜひ知ってもらって、一緒に成長していきたい。そういうみんなにこそ、とても役立つ内容なんです。
そこで、なんとか料金を抑えながら、同じノウハウが提供できないか一生懸命考えて生まれたのが、このスピーチライターゼミです。
これまでVIPしか受けることのできなかったプライベートコンサルティングや、高額の少人数のセミナーと同じ内容を、常時オンラインで学べ、分科会などの活動を通して自らスキルアップし、夢に近づくことができるサービスです。
始めた当初は、コンテンツが整理できなかったこともあって、楽しく学べないという人もいたと思うんですが、メンバーのサポートもあって、今は活気に満ちています。やめちゃった人は、再入会もご検討くださいね。
結論です。
スピーチライターゼミがいますごく活気があるのは、いろいろ書きましたが、メンバーが優秀というそれだけですね!!
ほんの少しだけ、ぼくの起業経験とノウハウも役に立っていると思います。
実際に、スピーチライターゼミで学んできた人たちは、起業したり、会社の中で活躍できるようになったりして、大きく成長しています。
ぜひ仲間になって、一緒に挑戦していきませんか?
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