今回は、パトスについてです。
パトスっていう単語は、多分皆さんが思ってる以上に重要な単語です。
パトスっていうのは、宗教的な意味とかもあるので、本当は色々説明しなきゃいけないですけど、今は単に「情熱」とします。
じゃあ「なぜ、パトスが重要なのか」です。
リーダーに求められるのは、ロゴスよりパトス
僕の周りを見渡してみると何が分かるかというと、博士課程を出たような非常にクレバーな人が、一億、二億稼いでるっていうケースは、もちろんいるのですが、そのような学歴とは無縁で稼いでる人って結構たくさんいます。むしろ、学歴がそれほどでもない人の方が稼いでいるように見えたりします。稼ぐことが良いことかって言うと、必ずしもそうとは言い切れないし、その尺度が色々ありますが。
アリストテレスは人間の要素を分解すると、パトス・ロゴス・エートスだ、と言いました。パートってのは情熱、ロゴスっていうのはロジック、エートスは、ちょっとこれややこしいですが人格のこと、としましょう。
この時に大学などの高学歴者が身に着けられるのが、最大の能力、ロゴスです。ロゴスを身に付けられた、というのは、これはとても素晴らしい武器で、間違いなく重要なものです。
ところが、社長とかその他リーダーに求められるのは、ロゴス以上にやはり、パトスだなと思うんです。
成功している社長さんを並べて見ていると、どなたもやはり圧倒的なパトスがある。パトスの量は、普通の会社に勤めていらっしゃる方と、そういうポジションで頑張っていらっしゃる方とで、そもそも迫力が違うって感じがする。
ただし、その方が非常にロジカルに考えられるかというと、決してそうではない。
ここから言えるのは、逆説的には社会生活の中で、ある成功みたいなものをつかみ取っていくためには、ロゴスよりもパトスの方がどうも重要な気がします。
どうやってパトスを訓練するのか
当然、それができないとコミュ力トレーニングになっていかない訳です。
これはですね、いくつか方法がある繰り返し言ってるように好きなことを見つけて打ちこむということが、パトスのトレーニングのやっぱり基本になります。
なりますが、そもそもパトスがなぜ重要かって言うと、世の中ってロジックで切り崩せないぐらい複雑に絡み合っていて、スッキリいかない訳です。いろんな制度、価値観、文化、全てグラデーションになっていて、白黒はっきりしていないことばかりです。
スッキリいくことは、ロゴスで処理できます。
スッキリいかないことを処理するのは、パトスの力だってことなんです。
で、そのパターンの力をどうやって無身に付けるかっていうと、やっぱり人生をかけて無茶するってことです。
なぜかというと、危険な所に身を置いた時に、否が応でも立ち上がるでしょう。
例えば、起業するとか大事なことを仕事にするとかって凄い大変なんですよ。
でも、ある種の成功パターンを掴んだリーダーの皆さんっていうのは、これに慣れている。この危険な所に身をさらすということに慣れている。
なぜそれができるのか。
世界は私の命を奪わないというその信頼があるからなんです。世界に対する信頼がある人と、世界は何をしでかすかわからないという不信がある人によって、振る舞い方が根本から変わってしまう訳です。
だから、「世界は信頼に足るものだ」ということを、自分の身に刻み込まなきゃいけない。
で、刻み込むことができれば、それだけの危険を冒してでも体が動くような情熱、やばいことをやるって勇気が必要だし、奮い立たなきゃいけなくて、そのことが自然に湧き上がってくるリーダーシップというか、リーダーの体質みたいなものを、どうやって身に付けるかは、やっぱり人生を懸けた遊びが状態化していることです。
常になんか危ないことやっているってことです。どうやって信頼を勝ち取っていくのかは、試行錯誤しかないですね。アタックしても大丈夫だ、という試行錯誤です。
例えば、生まれたばかりの時は母親から離れることができなかった。それから徐々に離れられるようになり、自然と学校に行くようになり、ひとりで暮らすようになり・・・っていうふうに少しずつ外に出ていくでしょう。
安全な場所から、危険などこかよくわからない場所に、自分はどんどん遠くへ行く訳です。きっちり遠くに自立していけるという感覚を身につけることができればいい。
それで少しずつ試行錯誤して、世界は信頼に足るものだということを繰り返し繰り返し学習していくんです。
少しずつ外に向かって試行錯誤して、とにかく自分の身を危険に晒す・危険に遊ぶ、ということを繰り返しやっていただけるといいじゃないかなと思います。
ということで、パトスとは、でした。
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