バブル崩壊前まで、「いい学校、いい会社、いい人生」という人生のロールモデルに存在しました。
今も、代替できるロールモデルがないので、それなりの影響力を残していますが、実際はかなり厳しいのが現実です。
実際、私の周りで成功している起業家たちの学歴はバラバラですし、高学歴ワーキングプアももはや珍しい現象ではないでしょう。
そんなわけで、バブルが崩壊して、私たちは自分がどうしたらいいか、自分で考えろと言われるようになりました。
それが「あなたの夢はなんですか?」という質問です。
学校で、あなたのやりたいこと、好きなことを考えるよう指導されるようにもなりました。
しかし、やりたいことや好きなことを仕事にするのは容易なことではありませんし、そもそも夢を持つこともとても難しいことです。
加えて、自分の夢もよくわからないのに、「根拠のない自信」を持って、夢に向かって進んでくださいとも言われるようになりました。
好きなことや、やりたいことを自分で考えることもできないのに、自信を持って生きるなんて無理難題です。お腹いっぱい。
ですから、コミュニケーションの土台が自信なのだとすれば、自信そのものがいま破壊されてしまっているので、本当の意味でコミュ力を持つことは難しいと言わざるをえません。
私たちがコミュニケーションを考えるためには、「夢」以外の何かが必要なはずです。
『なぜ、あなたの話は響かないのか―信頼と価値の時代のコミュ力2.0』ディスカヴァー・トゥエンティワンより。
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