自分が「いる」文章と「いない」文章で分けて考えよう
スピーチ原稿とライティングの原稿は、一概には比べられないものです。
今回は、原稿の種類を説明しながら、お答えしていきたいと思います。
まずライティングの方から説明します。ライティングというのは、下記の2種類あります。
- 自分のいない原稿を書く(例:新聞記事)
- 自分がいる原稿を書く(例:ブロガー)
これらは、まず書き方のテンションやリズムが異なります。同じ原稿でも、ニュース原稿とブログ原稿では、書き方が全く違います。
続いて、スピーチ原稿について。スピーチ原稿も、アナウンス原稿を書くのと、演説の原稿を書くのでは全く異なってきます。
アナウンス原稿は、あんまり自分がいてはいけない言葉です。一方で、演説のようなスピーチは自分が主役の言葉です。
だから、ライティングとスピーチの2つでは一概に比べられない、というわけです。
スピーチ原稿とブログ原稿の面白さは違う
この記事ではその中でも、自分が主役として存在する2つ、スピーチ原稿とブログ原稿の違いについてお話しします。
2つの大きな重要な違い、それは、
- スピーチは「声に出されるもの」だということ
- ブログは「目で読んで楽しい」ということ
です。
ブログだと、行間の開け方や写真の入れ方や文字のサイズを気にしますよね。特に、「なるべく喋ってるテンションをそのまま書き言葉によって表現しよう」というのが最近のブログやSNSでよく見られる感覚かなと思います。
でもスピーチは喋るものだから、そういった工夫が要らないわけです。ただし、スピーチは、ものすごく立体的なことが特徴です。
スピーチというのは、誰が喋るのかで原稿が180度変わってしまいます。例えば、スピーカーが生真面目なのか、ひょうきんなのか。はたまた、寡黙なのか、なんでもわいわいと喋る人なのか。
僕は、ブログもスピーチも両方代筆することがありますが、ブログのような書き原稿では目で読んで面白いかを目指しますし、スピーチ原稿はとにかく声に出して面白いかどうかを徹底的にこだわります。
ここで、スピーチ原稿でよくやっちゃうことを紹介します。読み原稿として、ブロガー的にテンションを色々入れてとても面白いものが仕上がった原稿を、本人が読むとなんか滑る時があるんですよ(笑)。
だから、本人の言い回しやテンション、心地良いリズムなどの本人しか分からないものを、一生懸命入れ込むようにしていきます。
とにかく、声に出して読んでみること。これが大事です。
意外とつまんないとか思いがけず面白いとか、いろいろ発生するんです。だから、スピーチ原稿は、声でアウトプットされたものをとにかく見ます。
また、スピーチには、声だけじゃなくて、様々な演出的側面も放り込んだ立体的なアート作品としてスピーチを作り上げていきます。(これは『パブリックスピーキング』という自著で紹介しています)
一方で、書き原稿は目で読んで終わり、つまり文学的なんですね。二次元に文字が書かれていて、重要なのは、記号と文体のリズムと飾りで完成されているかどうか、です。
だから「動的なスピーチ」に対して、「静的なブログ」のような表現ができるんじゃないかと思います。
まとめると、スピーチ原稿で気をつけなければならないポイント、それは「とにかく声に出せ!」ということです。
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