あなたは上司にLINEを送る時、どんな言葉遣いをしているのでしょうか?
まさか、こんなメールみたいな言葉遣いになっていませんか?
拝啓 田中部長様 早春の候、春の息吹が感じられる頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?
さて、本日は、大変お忙しいことと存じますが、A社営業案件に付き、ご相談差し上げたくメールいたしました。
確かに、上司によってはこのような書き方が求められることもあるでしょう。
上司のタイプを見極めた上で言葉遣いを選ぶことは大切です。
しかし多くの場合、普段のLINEでは、以下のような感じではないでしょうか?
(あなた)こんにちは。いま、いいですか?
(上司)いいよぉ
(あなた)あのA社の案件なんですけど、、、、
(上司)どうしたの?
(あなた)ダメでした!
(上司)マジか!!wwww
というやり取りになっていると思います。
コミュニケーションの手段によって、適切な言葉遣いは変わってきます。
では、スピーチでは、どうすればよいのでしょうか?
メールのように話すべきでしょうか?
それともLINEのように話すべきでしょうか?
メールのように話すとみんな寝る
スピーチで、メール文のように話すとこういう言葉遣いになります。
「ただいまご紹介に預かりました、〇〇商事営業部部長の△△です。本日は大変お足元の悪い中、当社セミナーにご参加くださり真にありがとうございます。私共は、つねづねお客様第一をモットーに・・・・」
こんな風に、スピーチを始めるとどうでしょうか?
このスピーチの始め方は、ありきたりでなんだか退屈です。この冒頭の言葉を聞いて、話手に対して深い興味をいだいたり、自分の人生を変えてくれるかもしれないと期待したりすることはないでしょう。
これは書き言葉で話しているためです。
また、速度感も現代にマッチしていません。
まるで、偉い先生のようなゆったりした印象があります。
かつて先生の話は、生徒が我慢して聞くものでした。
ですから、情報がなくても、面白くなくても、ゆっくり自分のペースで話しさえすれば、聞く側が合わせてくれました。
しかし、現代は生徒が先生を評価する時代です。先生が、生徒に合わせて話さなければいけません。テンポよく面白く、わかりやすく話すことが求められます。
そう、まるでLINEのように。
LINEにように話せばコミュニケーションができる
LINEでは、このようなコミュニケーションが一般的です。
みなさん、こんにんちは。
(聞き手の心の声) こんにちは。
今日は、ありがとうございます。雨ですね。
(心の声) そうですね。
こんなに雨が続くと、いやになっちゃいますね。
(心の声) そうですね。
さて、今日はみなさんに聞いていただきたい、すごくお得な情報があります。
(心の声) なんですか?
それはですね、、、、
これが、LINEのように話すスピーチです。
とても話しやすく、聴きやすい印象がありませんか?
LINEのようにスピーチ原稿を書くには?
では、LINEのようにスピーチ原稿を書くにはどうすればいいでしょう?
①1文を短くする
書き言葉で原稿を書くと、1文が長くなりがちです。
書かれた文字だと、読み手はわからなかった時に戻って確認できますが、音声で伝えるスピーチはそうはいきません。
音声は消えていきますからね。
1文が長いと、頭がこんがらがって、「もう聞きたくない!」ってなる人が出てきます。
②難しい言葉(抽象的な言葉)を使わない
例えば、取引先のプレゼンに出席して、こんな挨拶をされたらどうでしょう?
「ご多忙中と存じますが、ご出席賜り幸甚です」
丁寧ではありますが、耳がパタってなりませんか?
「お忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます」
これでいいですよね?
スピーチ原稿は、耳で聞いただけで理解できる言葉を使いましょう。
③スピーチ会場をイメージして聴衆と会話するように書く
この記事の最初で例にあげたように、LINEで会話するように原稿を書きましょう。
PCやスマホの向こうの誰かに話しかけるように書きます。そうすると自然と聴きやすい原稿になります。
また、会話調なので、感情がそのまま言葉になりやすいです。本番のスピーチでは、その原稿の良さを使って、表情、身振り、手振りを交えながら伝えてみましょう!
なぜ、話し言葉で書いた方がいいのか?
これまで見てきたように、スピーチ原稿は、書き言葉よりも、LINEなどのチャットで用いられている砕けた話し言葉の方が、聞き手にとって聞きやすいことは間違いありません。
なぜなら、話し言葉は音楽的に優れていて、書き言葉に比べてテンポが良く、リズミカルです。
書き言葉は、音を意識しませんから、読む分には快適ですが、音になると聞きにくいという特徴があります。
スピーチでは、基本的にはLINEで会話するような言葉遣いを心がけてみてください。
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